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死亡退職金は相続放棄しても受け取れる?相続税はかかる?
死亡退職金は、相続放棄をしていても受け取れる場合があります。
ただし、みなし相続財産として相続税の課税対象になるケースがあるため注意が必要です。
今回は、死亡退職金を相続放棄後に受け取ることができる理由や、その際に相続税が課される仕組みを解説いたします。
死亡退職金の概要
死亡退職金とは、在職中に亡くなった従業員に対して、その功労をたたえるものです。
会社が独自に定めた退職金規程に基づいて、遺族に支払われます。
ただし、死亡退職金の支給は法律で義務づけられているものではなく、会社が退職金規程を設けている場合に限り支払われる点に注意が必要です。
業務中の事故死に限らず、私的な理由による死亡であっても支給される場合があります。
相続放棄をしても死亡退職金を受け取れる理由
相続放棄をすると、法律上は「最初から相続人ではなかった」ものとされ、相続財産を受け取る権利を失います。
しかし死亡退職金は法的には相続財産ではなく、遺族固有の権利として支給される性質を持っています。
多くの企業では退職金規程において、受取人を「配偶者」「子」「生計を共にする親族」などと定めており、必ずしも相続人の順位とは一致しません。
そのため、相続放棄をしていても、受取人として指定されていれば受け取ることが可能です。
死亡退職金に相続税はかかるのか
死亡退職金は、税法上「みなし相続財産」として扱われ、相続税の課税対象になります。
これは、死亡退職金が被相続人の死亡を原因として取得される財産であるためです。
相続人が受け取る場合、「500万円×法定相続人数」までが非課税枠として認められています。
たとえば法定相続人が3人であれば、1500万円までの死亡退職金は非課税です。
しかし相続放棄をしたひとが受け取る場合、この非課税枠が使えません。
相続放棄後に受け取った死亡退職金は相続税の対象となりますが、課税価格の合計が相続税の基礎控除額の範囲内であれば、結果として相続税が発生しない場合もあります。
なお、被相続人の死亡から3年を超えて支給が確定した場合は、受取人の一時所得として、所得税や住民税が課税されるので注意が必要です。
まとめ
死亡退職金は、退職金規程に基づく遺族の固有の権利として支給されるため、相続放棄をしていても受け取れる場合があります。
ただし、税法上はみなし相続財産として扱われ、相続税の対象になる点を忘れてはなりません。
特に相続放棄をしたひとは、非課税枠が使えず課税額が増える可能性があります。
不安がある場合は、専門家へ相談するのがおすすめです。